room-K
メタバースを活用した
不登校児童生徒のためのオンライン教育支援センター
| プロジェクト期間 | 2020年4月〜2023年6月 |
| 関連企業 | 認定NPO法人カタリバ |
| 役職 | room-K事業責任者、システム責任者 |
| 公式ページ | katariba.or.jp/activity/project/futoko |
| 専用サイト | futoko.katariba.online |
社会的背景
日本の不登校問題は、深刻な社会課題として拡大し続けている
(2023年・過去最多)
増加傾向
アクセスできていない
学校を「安全」と感じる割合
主要な社会課題
- 約40%の不登校児童が学びや繋がりの機会を失っている
- 自治体の教育支援センター設置率は約60%にとどまる
- 不登校世帯の52.2%が複合的な困難を抱える(貧困、障害、言語の壁など)
- 既存の支援は物理的な拠点が前提であり、そもそも外出が困難な子どもに届かない
学校に行けない子どもたちに、安全で安心できる「居場所」と「学びの機会」を、場所を選ばずに届ける。この課題に応えるために生まれたのが、room-Kである。
room-Kとは
メタバースを活用したオンライン教育支援センター(フリースクール)
room-Kは、不登校の小中学生を対象としたオンライン教育支援センター。メタバースプラットフォーム上でアバターを使って参加し、学校以外の「安全な居場所」と「学びの機会」を提供する。2021年に正式開始し、子ども支援と保護者支援の両面から包括的なアプローチを実現した。
2軸の支援モデル
個別伴走支援
- 各家庭に専属の支援コーディネーター(臨床心理士・社会福祉士)を配置
- 専属メンターによる週次「作戦会議」
- 月次の保護者面談を実施
- 一人ひとりに合わせた「MyPlan」スケジュールを作成
グループプログラム
- 平日 9:00〜14:30 のフルタイム運営
- アバターによるメタバース空間での参加
- プログラミング、イラスト、工作、AI学習教材など多彩な活動
- 毎日の朝の会と探究型学習
支援モデル
個別対応とグループ活動を組み合わせた包括的支援
個別伴走支援の流れ
- 初回面談:保護者・子どもの状況をヒアリング
- チーム編成:コーディネーター+メンターの専属チームを配置
- MyPlan策定:子どもの興味・目標に沿った個別計画を作成
- 週次作戦会議:メンターと子どもが1対1で振り返りと計画
- 月次保護者面談:家庭との連携を維持し支援方針を調整
グループプログラムの構成
- 9:00 朝の会 - アバターで集合、今日の予定共有
- 9:30 探究型学習 - テーマに基づくグループ活動
- 11:00 選択プログラム - プログラミング、イラスト、工作など
- 12:00 昼休み
- 13:00 午後の活動 - AI学習教材、算数指導など
- 14:30 振り返り・終わりの会
私の役割
事業の1人目のメンバーとして、設計から実装・戦略まで担当
1人目のメンバー
事業立ち上げの初期メンバーとして参画。構想段階からの事業設計を担当
プラットフォーム設計・実装
オンラインフリースクールの基盤となるプラットフォームの設計から実装まで
評価モデル開発
効果測定のための評価モデルの設計・開発。6ヶ月調査に基づくエビデンス構築
事業化戦略
持続可能な事業モデルの策定。収益構造の設計と事業計画の立案
自治体営業
自治体との連携構築。出席扱い認定の獲得に向けた営業・交渉活動
自治体連携
room-Kの参加を学校の「出席扱い」として認定する仕組みを構築
room-Kへの参加を、自治体との連携により学校の出席扱いとして認定される仕組みを構築した。カタリバから自治体への月次報告書により出席・進捗を文書化し、定期的な支援会議にて学校スタッフ、ソーシャルワーカー、カタリバコーディネーターが連携する体制を実現した。
入間市(埼玉県)
パイロット事業として開始。自治体連携のモデルケースとなる
2024年 正式導入春日井市(愛知県)
パイロット事業として連携開始。中部地方での展開を実現
2024年 正式導入戸田市(埼玉県)
先進的な教育施策で知られる戸田市との連携を推進
連携継続中出席扱い認定制度により、room-Kに参加する子どもたちは学校に通えなくても出席として記録され、進級・卒業への影響を最小限に抑えることが可能になった。
成果データ
6ヶ月間の調査で示された、子どもたちの変化
ストレス反応指標
メタバース空間での安心感と定期的な伴走支援により、ストレス反応が改善
本来感スコア
「自分らしくいられる」感覚が向上。アバターを通じた自己表現が寄与
自己肯定感
達成体験の積み重ねとメンターからの承認により、自己肯定感が改善
生活リズム
平日朝9時からの定期プログラムにより、規則正しい生活リズムが定着
保護者の孤立感
月次面談と保護者コミュニティにより、保護者の孤立感が軽減
メンターとの定期的な作戦会議を継続した子どもほど、改善が顕著に見られた。個別伴走支援の「継続性」が成果の鍵であることが示された。
業界への影響
room-Kが不登校支援業界にもたらしたインパクト
他の不登校支援事業への波及
room-Kの開始後、全国でメタバースやオンラインを活用した不登校支援事業が展開された。
- 東京都 Virtual Learning Platform (VLP) — 30以上の区市町村で運営されるオンライン学習環境
- 長野県 SaSaLAND — Minecraftベースのメタバースと物理拠点を組み合わせた支援モデル
- 軽井沢オープンドアスクール — 2027年開校予定の柔軟型学校
メディア掲載
- NHK — 特集放送(複数回)
- カタリバマガジン — メタバース×不登校:3年間の実践報告(2025年1月)
- カタリバマガジン — 教員派遣とroom-Kの協働(2025年12月)
- カタリバマガジン — 行政・学校・NPOのアプローチ(2025年10月)
- note.com/katariba — room-K卒業生「タクト」の通信制高校進学ストーリー(2026年1月)