NPOむすびえ
DX推進・組織開発
全国12,602カ所の子ども食堂を支える認定NPO法人の
情報基盤を根本から再構築し、SaaS運用費81%削減を実現
むすびえについて
全国の子ども食堂を支援する中間支援組織
こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる
認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえは、2018年に社会活動家・湯浅誠氏(元内閣府参与)により設立。全国の子ども食堂を支援する中間支援組織として、地域ネットワーク支援、企業・団体連携、調査・研究の3つの柱で活動しています。
2025年には女優・仲間由紀恵を起用したACジャパンキャンペーン「こども食堂は、あなた食堂。」を全国展開。また第7回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞(福祉部門)を受賞しています。
2025年、過去最多
ネットワーク支援
2026年3月受賞
3つの活動柱
地域ネットワーク支援
全47都道府県のネットワーク組織を支援し、地域に根ざした子ども食堂の活動を後押し
企業・団体連携
企業の寄付・物品・体験プログラムを食堂へ接続するハブ機能を担う
調査・研究
年次全国調査の実施と政策提言を通じて、エビデンスに基づく支援を推進
課題
DX推進以前に直面していた3つの構造的問題
180人規模のNPOでありながら、正常なシステム構築の経験がなく、セキュリティ概念もデータ構成の概念も整備されていない状態でした。組織の急成長に情報基盤が追いついていない――それが根本的な課題でした。
セキュリティ基盤の不在
正常なシステム構築の経験がなく、セキュリティ概念もデータ構成の概念もない状態。アカウント管理・権限管理のルールが未整備で、情報資産が無防備なまま運用されていました。
70チームの縦割りサイロ
180人・70チームがそれぞれ独自のやり方で運用。チーム単位であらゆるSaaSを導入し、データが分散。組織横断でのデータ統合や一貫した管理が不可能な状態でした。
商用SaaSでは対応不可能
組織独自のルール(人事・管理・会計)に対応するため、商用SaaSの標準機能だけでは要件を満たせず、SaaSと連動するWrapper Applicationの構築が必要でした。
統合システム
15以上のSaaSツールを基幹システムに統合
70チームがバラバラに導入していたSaaSを統廃合し、Google Workspaceを軸としたセキュリティ・権限管理の基幹システムを構築。全てのSaaSをAPIで接続し、データ・権限のSync自動化を実現しました。
Tech Stack: Vanilla JS(Google Apps Script) + TypeScript(Serverless Functions)
全SaaSをAPIで接続し、Google Workspaceと連動した一貫したセキュリティ・データ管理を実現
実績
劇的なコスト削減とセキュリティ・データ基盤の確立
不要SaaSの統廃合とAPIによるデータ・権限Sync自動化により実現
自動化による業務効率化と適正規模のチーム運営により実現
業務内容
3つの役割を兼務し、技術・組織・経営の全レイヤーに関与
DX推進責任者
- アカウント管理・権限管理のルール構築、Google Workspaceと連動したセキュリティシステム構築
- 2段階認証の徹底、Password Manager導入と権限管理自動化
- 不要アカウント排除、外部ユーザーのInstance分離
- 導入しすぎたSaaSの統廃合、APIによるデータ・権限Syncの自動化
- 組織のシステム統合における人の課題に対応(アカウント凍結等)
- ドキュメンテーション徹底、Notion AIと結合した業務文脈のAI設計
- Referralで優秀な若手エンジニアを5人採用・育成
組織開発担当
- 仮想オフィスの運営とコミュニケーション構造の改善
- Culture Deck委員会の設置と運営
経営ボードメンバー
- 経営会議に参加し、組織全体の方向性を策定
- 財政問題、企業再生案件の推進
ITチーム規模:5人 — 少人数チームで180人組織のDX変革を推進。Referralによる採用で、志の高い若手エンジニアを確保し育成しました。
社会的意義
テクノロジーが社会インフラを支える
むすびえのDX推進は、単なるコスト削減や業務効率化ではありません。全国12,602カ所の子ども食堂を支える中間支援組織の情報基盤を強化することで、「誰も取りこぼさない社会」の実現を、テクノロジーの側面から支えるプロジェクトです。
子ども食堂の支援基盤を強化
セキュリティとデータ管理の基盤整備により、全国47都道府県の地域ネットワーク、企業・団体との連携、そして政策提言に至るまで、むすびえの全活動の情報インフラを支えています。
削減されたコストは、子ども食堂への直接的な支援活動に再配分されます。NPOにおけるDX推進は、限られた寄付や助成金をより多くの子どもたちに届けるための、社会的に意義のある取り組みです。
NPOのDXは、ビジネス効率化ではなく、社会インフラの強化。節約された1円1円が、子どもたちの食卓につながっています。